日本でもっとも著名な仏師・運慶。全国に現存する運慶作品は31体と言われ、そのうち5体が芦名の浄楽寺にある。地元団体は「地域の人にもっと知ってもらいたい」と、今月26日(土)に同寺の見学会を企画。大楠観光協会では、国の重要文化財であるこれらの運慶仏を「国宝指定に」と動き出しており、機運を高めたい考えだ。
芦名の浄楽寺にあるのは、阿弥陀三尊像・不動明王像・毘沙門天像の5体。胎内にあった銘札や墨書きのお経から、運慶作と分かったのは1959年と、比較的最近の事で、1189年頃に手掛けたものだと言われる。
現在は年2回、一般公開を行っており、5体を同時に拝観できるとして、運慶ファンをはじめとした参拝客を魅了している。市が『はとバス』とタイアップしたツアー企画にも、同寺が組み込まれているほか、今年4月から5月にかけて、三浦薬師如来と不動尊霊場御開帳もあり、市外からの観光客も増えているという。
9月には国立博物館(東京都)で、全国に散らばる31体のうち22体が揃う大規模な「運慶展」が開催される。その前に「間近で鑑賞してほしい」と地域団体「横須賀西地区のみらいを語る会」が特別見学会を企画した。今月26日(土)午後1時から「運慶を観る・前島密の史跡を訪ねて」と題し、解説も行う。これを主催する市議の長谷川昇氏は「県内で運慶作があるのは県立金沢文庫(金沢区)と浄楽寺のみ。残念ながら、地元でも知らない人もいる。この機会にその迫力を感じてほしい」と話す。参加費は400円(拝観料)。先着40人。
申し込みは【携帯電話】080・4383・1633
再度「国宝指定に」
大正時代までは成朝作の阿弥陀三尊として国宝に指定されていた時期があったが基準が変わり、現在は国の重要指定文化財となっている。運慶作と判明してから半世紀。地元の観光協会や地域運営協議会では「国宝指定に」と動き出している。研究者からも、これに値するとの評価があり、関係者らは「世界に誇る”横須賀の宝”を発信する機運を高めたい」と話している。
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