掲載号:2008年9月 4日号
○…街中アートを通して人と人とがつながるイベント「さかえdeつながるアート2008」にアーティストとして参加している。同実行委員会メンバーの一人と知り合いだったことから、声がかかった。「まちおこしアートは得意」と参加を快諾。現在、プレイベントをこなす傍ら、11月のメーンイベントに向け、構想を練っている。
○…子どもの頃から美術は好きだった。画家だった父親は小学生の時に他界。「絵を描く父の姿がわずかに記憶に残る程度」というが、「影響は受けていると思う」と話す。美大を卒業後も東京・神奈川を中心にユニークな創作活動を展開。10年前には湘南の海面に白いTシャツを並べて巨大なアートをつくり、見る人の度肝を抜いた。「会期半ばにして大波で壊れた。若気の至り。二度とやりません」と笑う。しかし、「始めたことを後悔するようなとんでもないことほど思い出に残っている」という。
○…作品の中にはたびたびTシャツが登場する。きっかけは10年前、創作活動の一環として販売しているTシャツの売り上げが伸び悩んだこと。「在庫はたくさんある。人間はサイズやデザインなど、わがまま。それならば人間以外のものに着せてみよう」と、街中にある裸体像にTシャツを着せた。裸体像が服を着たことで、ある人は「寒い冬にはぴったり」と声をかけた。またある人は半そでのTシャツ姿の像を見て「ここだけ夏が来たみたい」と笑った。見る人によって反応が違うアートの面白さを肌で感じた瞬間だった。
○…栄区内のイベントでも風船にTシャツを被せたアートが登場する。「形に愛嬌がある」と笑顔。ほかにも穴に興味を持つ人間の特徴に目をつけ、竹や布にハート型の穴をあけたアートを展開する。「美術館ではなく、アートが偶然訪れた街中にあった、そんな体験を楽しんで参加して欲しい」。この秋、人の心を動かすアートで街中を彩る。
2016年6月16日号
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