ヤングテレホン横須賀 今年度限りで廃止へ 無言電話などが8割以上、費用対効果検討し
横須賀市が開設し、青少年の悩みを電話で受ける「ヤングテレホン横須賀」が今年度で廃止される見通しだ。市では「いたずらなど目的外の電話が多く、有効に機能しているのか検討した結果」と話す。
「ヤングテレホン横須賀」の事業が始まったのは、1986年。取り組みとしては県や近隣市域に先駆けたものだった。対象は主に小学生から高校生。いじめや不登校などの相談を匿名で受け、必要があれば市の担当窓口を紹介する仕組みとなっている。相談件数に関しては、「はぐくみかん」が開館し、24時間体制の相談受付に移行した2008年度以降は、年間1300件前後ほどで推移しているという。電話を受けるのは、教育相談の経験者。昼2人、夜は数人の交代で勤務している。
目立つ”不適切”使用
市担当課によると、昨年度1338件の内訳で、無言電話は527件と4割を占めているという。相談としてカウントしているのは811件だが、そのうちいたずら電話293件、同一人物とみられる日常会話的な電話が339件、本来の趣旨にそった相談とされるものは179件と全体の2割にも満たない。今年度も昨年12月までの9ヵ月で全件数1099件のうち300件以上が無言電話だという。「誰もが気軽に相談できる窓口のはずが、匿名ゆえに悪用されてしまっている。同様の相談業務は県などでも開設しているので補える」(同課)としている。「24時間体制に移行後、3年でその成果を計るのは早すぎる」との声もあるが、今年度は相談員の人件費322万円を計上しており、費用面でも、本来の相談件数を考えると見直さざるを得ない状況だったという。
市ではヤングテレホンの電話番号を記したカードを児童・生徒に配布するなどして周知に努めてきたが、昨年、市内の児童生徒を対象に実施した「横須賀市教育アンケート」内の設問「悩みや困ったときは、だれ・どこに相談しますか」において、ヤングテレホン(電話相談)という回答は、小中学生で1%前後、高校生では0%という結果が出ている(上記表)。親や友達、先生に相談できない悩みをすくい上げる役割を果たすべき「電話相談」が、なかなか浸透していない現状も垣間見える。
だが、メール相談に関しては、相談件数は年間100件前後で推移しているという。「電話よりも正しい使われ方をしていると思う。メール相談は来年度も継続していく予定なので受け皿が無くなる訳ではない」と同課では話している。
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紙面から振り返るヨコスカ・ミウラ202412月20日 |
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