アニメファン呼び込め 集客作戦あの手この手
汐入町が物語の主人公の出身地という舞台設定になっているアニメ「たまゆら」が、今年10月にテレビ放映される。これを契機に横須賀市では新たな集客策として、このファン層をターゲットにしたイベントや汐入周辺の横須賀グルメなどとのタイアッププロモーションを企画。全国に拡がるアニメファンの誘客を狙っている。
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「たまゆら」は、テレビアニメ「美少女戦士セーラームーン」などを手がけた佐藤順一監督が広島県竹原市を舞台に制作したオリジナルDVDアニメ。主人公の女子高校生「沢渡楓」とその友人たちが何気ない日常生活を過ごしながら成長していく青春ストーリーとして昨年末に発売された。今作はその続編で、主人公が中学時代までを過ごした地が横須賀という設定になっている。
「聖地巡礼」
このアニメでは発売当初から竹原市と協力してご当地オリジナルグッズ販売やイベント開催が行われてきた。加えて、同市では市のホームページで「舞台訪問コース」を公開しており、アニメファンが舞台地を訪ねる「聖地巡礼」スポットとしても多くの集客を得ている。同市観光協会では「アニメでは市内の古い街並みや瀬戸内海の美しい風景などが忠実に再現されているのでファンでなくとも風景に惹かれて訪れるケースもあるようだ」としている。
最近のアニメ作品で舞台地と一緒にプロモーションを行っている例では、現在公開中のスタジオジブリの新作映画「コクリコ坂から」がある。横浜市と協力して、舞台になった山手地区の洋館を巡る散策コースを記したガイドマップを配布するなどで地域を盛り上げる取り組みも行われている。
ご当地グルメとタイアップ
横須賀市でもこうした前例にならって、来月14日に横須賀芸術劇場で開催されるファン公式イベントを皮切りに、汐入の街中にポスターを掲出するなどのプロモーションを始める。同イベントの前売りチケット発売では千4百人の枠に対して大幅に上回る応募があった。市ではこの人気を市内への経済効果につなげたい考えだ。同アニメでは、製作者側とのコラボレーションで劇中に海軍カレーやネイビーバーガー、チェリーチーズケーキといった横須賀市のご当地グルメを想起させるオリジナルメニューが登場する。これらは市内の対象7店舗で今年12月まで実際に提供される。
市商業観光課では「市としてアニメとタイアップしての集客策は初めて。今後は舞台地マップやグルメスタンプラリーなどで、訪れたファンの方々に市内で回遊してもらう流れを作りたい。また、竹原市に出向いて横須賀への集客も図る」としている。今年末は汐入地区がアニメで盛り上がることが期待されている。
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