「里山再生」市民協働で 野比と長坂のモデル地区で水田づくり
横須賀市は新年度より里山の保全・活用に向けた動きを本格化させる。野比・千駄川流域と長坂・沢山池周辺をモデル地区に定め、自然保護活動などを行っている市民団体との協働で水田や樹林地の維持管理を行っていく。将来的には、自然環境の学習の場としても機能させていく計画だ。
里山とは人々の生活と結びついた山や森林で、現在または過去に田畑や水路、ため池、雑木林として機能してきた場所を指す。
市内でも高度成長期以降、都市化の影響で里山は急速に減少している。残っている所も所有者の高齢化などで手入れが行き届かなくなり、荒廃が進んでいる状況。今回、市が手掛けるのはこうした民有地を対象としたもので、所有者の合意を得て事業に着手、水田や雑木林を蘇らせることで憩いの場を生み出していく。
活動例として考えられているのは、雑木林の活用によるキノコ栽培や炭焼き。田んぼでは米づくりのほか、かかし製作などを行う。自然観察会の実施もある。
今回、候補地となっている野比では、現在も使われている水田を所有者から提供してもらい稲作を継続する。長坂では企業が所有する休耕田を開墾し、新たに水田を設ける。敷地面積は野比が約6千平方メートル、長坂は約1万平方メートル。内、水田部分はそれぞれ約千7百平方メートル、約5百平方メートルになる見通し。
市では、協働事業に参画意思のある団体などに企画アイデアを求める募集を行ったところ、3件の応募があったという。今月29日に行われる公開プレゼンテーションでパートナー団体を選定。平成24年度にモデル地区の基盤整備を行い、25年度から活動を開始する。
同事業に応募した市民団体、横須賀「水と環境」研究会の高橋弘二代表は、事業の成功のカギは、活動団体に加えて、地元の町内会や自治会の参加が大切としている。
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