コスプレ女王で「追浜観光大使」として地域活性に挑む キキワンさん 市内在住(本名・年齢非公表)
コスプレで街も人も元気
○…奇抜なピンクオレンジのウイッグに女戦士のような衣装がひと際目を引く。行政が関わる企画としては異例の「コスプレ講座」で、初心者に楽しみ方を伝授する講師を務めている。コスプレとは、漫画やアニメの登場人物に扮装してなりきるコスチューム・プレーの略称。これまではキワモノ的な趣味として扱われてきたが、国際語にもなった「オタク文化」の隆盛で風向きが変わった。2次元の世界を切り口にした観光集客や街のにぎわいづくりは、今や注目の手法。これを「横須賀で実現すること」を期待されている。
○…コスプレ界ではちょっとした有名人。着るには少し勇気がいるようなデザインの衣装も華麗に着こなす。それらは裁断から縫製、すべてを自分で手掛けている。06年、容姿と衣装の出来栄えなどを競うテレビ番組でチャンピオンに。07年に開かれた世界サミットでは日本代表として出場、準グランプリとなった。イベント会場に顔を出せば、ファンの熱い視線を集める。
○…中学時代に目覚めた「コスプレ愛」を語りだすと止まらない。「作品に対する愛情表現が立体化したもの。気分が高まっていつもと違う自分になれます」。普段はおとなしい人も、衣装をまとうことで思い切り自己表現できるようになる、らしい。「挑戦したくてうずうずしている人はたくさんいます」。大人と呼ばれる年齢になって、コスプレとの関わり方を探していた。ひとつの答えが「きっかけ」を与えること。「『キキワンさんを見てコスプレを始めました』は、私にとって一番うれしい言葉です」。
○…講義を終えて普段着になると王者のオーラはなかった。どこにでもいそうな普通の女性。声のトーンまで違っていた。職場でも気づかれることはないそうだ。現実の世界と趣味の世界を行ったりきたり。もう1人の自分を楽しむような感覚ですか? と質問。「そんな部分もあるかもしれませんね」
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