後藤学園 専門学校を移転開設 佐野町の旧陽光小跡地に
旧市立陽光小学校の跡地(横須賀市佐野町)に医療系大学の開学を予定していた学校法人後藤学園は9日、運営している「神奈川衛生学園専門学校」(小田原 市)を横須賀に移転することを発表した。来年の新入生から同校跡地に構える校舎で授業を行い、将来的には看護学科の新設もめざすという。今回の突然の発表 に、市も対応に追われた。
同専門学校には、あん摩マッサージ指圧師や、はり師の資格取得をめざす「東洋医療総合学科」がある。
移転の理由について同校入試事務局では、1988年(昭和63年)に竣工した小田原の校舎に「空調設備の問題や雨漏りがあり、抜本的な解決が必要になったため」と説明する。横須賀での大学開学を断念したためではなく、現校舎の問題だとしている。発表翌日の10日時点で、同校ホームページのトップ画面には「2013年4月横須賀校舎への移転変更承認申請中です」と掲載している。
一方、来年4月から小田原の専門学校に通うことを想定して推薦入試やAO入試(アドミッション・オフィスの略。面接などを重視する入試)を受験し、すでに合格した人もいるという。同事務局では、合格者には9日着の郵送で横須賀に移転する方針を通知したとし、「今後は個別対応も行う」と話す。現在通っている学生は、卒業まで小田原の校舎に通い、その後の校舎の使用については決まっていないという。
移転先となる旧陽光小施設の増改築工事は、おととし終えている。同学園では、将来的には看護学科の新設をめざしており、今後神奈川県に申請する方針を示している。
市は発表知らされず
2006年に閉校した同校の跡地利用として横須賀市は08年、医療系4年制大学の開設をめざしていた同学園に売却する方針を決定。同学園では看護学科を設ける意向を示していたことから、横須賀の看護師不足解消につながることが期待されていた。
だが、大学の設置認可申請にあたって学園側と文部科学省との協議が難航。同学園ではこれまでに4回申請を見送り、それに伴い大学の開学も延期されていた。
市資産経営課では「(移転の方針を学園から)内々には相談を受けており、対外的な発表の段取りなどを調整するはずだった」と話し、今回の発表は事前に知らされていなかったという。移転については12月議会に報告され、今後は市議会で審議される見通し。
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