8月15日から神奈川芸術劇場で行われる舞台「iSAMU」に主演する俳優 窪塚 洋介さん 大矢部出身・34歳
役と混ざり合う感覚で
○…「直感で『やる』と思った」。今回の舞台のオファーが来たとき、すぐにそう感じた。芸術家イサムノグチの存在を初めて知ったのは高校時代。教室で偶然めくったデザイン雑誌に載っていたノグチ氏の作品を見て「なんで(名前が)カタカナなんだろう」と心に残るものがあったという。「今になって舞台の話が来て、何かが繋がったかんじ」と妙に納得した。
○…実在した人物の役を演じるとき、その人を完全にコピーしようとはしない。「自分とその役、一番混ざり合った状態にもっていくこと」が「役作り」に繋がると冷静に捉える。「大統領になるよりも、僕は真実こそを追求する」。若き日のノグチ氏の言葉だが「自分も似たようなことを言っていた」と笑う。周囲の期待通り振る舞うよりも、自分が信じる道を追及する。「生い立ちは違うけど、ノグチさんが見てきた景色と僕が見ようとしている景色には共通するものがあるかもしれない」
○…現在は俳優業と歌手業の二足のわらじ。今後演じてみたい役柄については「やったことのない役なら何でも。新しい自分を発見できるなら受けたい」と変化を受け入れる心構えは万全だ。1回の人生で複数の人生を味わえることが役者の楽しみだとし「『(全部終わった後で)一体いくつの顔があったのだろう』と思われたら面白いと思う」と将来像を描く。
○…2カ月に1度、ドブ板通りで「卍LINE(マンジライン)」としてライブを行っている。全国区になった今でも地元での活動にこだわる。「横須賀は自分が世に出るまで支えてくれた滑走路のようなもの。友達もいるし、何より一番落ち着く」。ミュージックビデオにも、”マボチョク”や横須賀中央駅、上町の商店街など馴染みの風景が随所に登場する。「これからも地元での音楽活動は続けるつもり」。変化を受け入れつつも、変わらない軸があることを再確認する。
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