横須賀・鎌倉・逗子・葉山 「中学校給食」 実施へ前進 完全実施は三浦市のみ 逗子市も今秋から
神奈川県内で「中学校給食」の導入に関して、議論が活発になっている。県内での導入率は生徒数ベースで17・8%だが、全国で見ると、約8割の中学校で実施されている。神奈川県内各自治体の実施率の低さが顕著に表れている中で、当紙では、三浦半島の4市1町の現状と課題を追った。
給食実施については、「児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものである」として学校給食法で定められているが、中学校において全国でも突出して低い実施率となっているのが神奈川県だ。共働き家庭の増加などの社会変化、学校における食育・健康教育の重要性など、さまざまな要因で今、中学校での導入が議論されている。
導入手法を検討
この4市1町で、主食・おかず・牛乳を提供する「完全給食」を実施しているのは三浦市のみ。横須賀市・逗子市・鎌倉市・葉山町では、弁当持参で牛乳のみ負担する「ミルク給食」となっている。いずれの自治体も、弁当が持参できない家庭に対しては、その日の朝に学校内でお弁当やパンを注文する―というシステムを取っているが、これはあくまでも持参弁当の”代わり”というもの。逗子市・鎌倉市・葉山町では、給食導入に向けて検討委員会を立ち上げ、アンケートなどを実施しながら、実状に合わせた導入を検討。鎌倉市・葉山町では現在、予算との兼ね合いや施設整備・導入手法などを議論しているところだ。
逗子市では、今年10月から市内の全3中学校で「ボックスランチ方式」の給食を導入する。管理栄養士が考案したメニューを業者が調理し、主食・おかずが入った弁当箱を各校に配送するというシステムで、温かい汁物も提供。事前にインターネットなどで個別注文する。この方式であれば、新たに調理場を整備する必要もなく、経費を最小限に抑えながら、ニーズに対応できる。
これに似た形で今年1月、試行事業を行ったのは横須賀市。現行の弁当・パン注文を拡充した形の「スクールランチ」を進めている。管理栄養士による同一メニューを市内の業者に発注する方式で、生徒が事前に注文。今年度も試行事業を実施し、再来年度に本格実施する方向だという。あくまでもミルク給食の補完という形だが、市の姿勢としては、スクールランチで給食のニーズに応えられる、としている。
子育て政策の一環
少子高齢化が進む三浦半島地区では、いずれの自治体も、若い世代を呼び込む子育て政策の一環として、「給食導入」を掲げる。導入した手法が、利用者(生徒・保護者)のニーズを汲み取ったものになっているのか。実施後の検証も必要だろう。
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