市内NPO ひきこもりに就労機会 事業所に協力呼び掛け
市内で若者の就労支援などを行っているNPO法人「アンガージュマン・よこすか」(上町2の4)は10月から、横須賀市と協働で中間的就労(有償ボランティア的職業体験)を仲介する取組みを開始する。今後3年の計画で受入れ先の事業所を拡大していく予定だ。
中間的就労とは、週に2〜3日、1日3〜4時間の業務を行うボランティアに似た就労形態のこと。ひきこもりや生活保護受給者など、社会と関わり合いをもつことができず、就労経験の乏しい人に社会参加のきっかけを提供することを目的としている。数年前には厚生労働省が中間的就労に関するガイドラインを発表しており、本市でもテスト施行が行われていたが、受入れ先の事業所が少ないことが課題であった。そこで、若者の就労支援のノウハウをもつNPO法人アンガージュマン・よこすかが、市との協働事業を活用して課題解決をめざす。事業所への交渉や、就労者へのフォローなどが主な業務。期間は3年間で、年間40万(初年度24万円)が運営費として充てられる。福祉施設の清掃や簡単な農作業など「求人を出すほどではないが、手伝いがほしい」という需要に対し市が就労者を派遣。事業所からは少額の謝礼金(500円程度)が本人に支払われる。
「慣らし運転」
アンガージュマン・よこすかの島田徳隆理事長によると、就労経験の少ない人がいきなり一般就職をするのは「ハードルが高く、うまくいかないことも多い」という。同法人では、以前から若者に対し、飲食店などで販売補助などの中間的就労を仲介してきた。市と協働で事業を進めるメリットについて「信頼度が増し、事業所の拡大が見込めるのでは。年間10社の受入れをめざしたい」と話した。
偏見瓦解が鍵
市福祉部は生活保護受給者へのケースワーカー調査で、本事業の該当者を30人程度と見立てており、参加の意思を確認したうえで受入れ先の選定を行っていく。「就労体験を通して社会との繋がりをもってほしい」と担当者。一方で、彼らへの偏見も少なくなく、アンガージュマン・よこすかでの実施例を事業所に説明するなどして理解を深めていく。今月中には同法人、市福祉部、市民部で実行委員会を発足する予定だ。
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