横浜横須賀道路(横横)の横須賀・衣笠両IC間に、ETC専用のスマートインターチェンジ(スマートIC)が設置されることになった。先月30日、国土交通省道路局が新規事業化を承認。横須賀PAから直接、一般道(坂本芦名線)へ乗り降りできるようになる。高速道路から西地区への時間短縮にもつながり、観光振興への波及効果にも期待がかかる。 スマートICとは、高速道路の本線やSA・PAから乗り降りできるインターチェンジ。ETC搭載車両のみが通行可能、簡易な料金所の設置で済むため、従来のICよりも低コストで導入できる。周辺道路の混雑緩和や市街地へのアクセス向上、物流の効率化、観光振興支援などを目的に2006年から全国で整備されており、今年3月現在、77カ所に設置されている。
坂本芦名線に接続
市内の現状では、横須賀―衣笠IC間の距離が5・3Kmと長いことや(逗子―横須賀間は2・3Km、衣笠―佐原間は1・8Km)、両ICから西地区へ向かう際のアクセス向上に、設置を求める声があがっていた。
横須賀市では、三浦半島地域における幹線道路整備促進の一環として、2009年から要望活動を展開。さらに2011年度からは、導入検討の勉強会や調査を進めており、今年6月には国・県・警察・商工関係と地元町内会などで「(仮称)横須賀PAスマートインターチェンジ地区協議会」を設立。実施計画書を策定し、市長自ら国土交通省に対して要望書を届けるなど、動きを加速させていた。
新規事業化承認を受けたのは、横須賀PAから一般道(坂本芦名線)へ乗り降りできるスマートIC。上り出口はPAに接続=写真、下りは本線に直結する。坂本芦名線は、国道134号線の大楠山入口まで現状では信号がないため、ノンストップで同地区方面と行き来することができる。
西地区へ時間短縮
市交通計画課は、同スマートICと佐島地区への所要時間を11分と推測。横須賀ICの利用と比べて5分ほど短縮できると見込んでいる。また、高速道と市内の東西を走る一般道が接続することで、「災害時の道路ネットワーク強化にもつながる」と話す。
今回の承認を受け、吉田市長は「西地区の観光や産業振興に寄与することを期待」とコメント。横横道路では通行料値下げの方針が決まっているほか、2月には佐島地区と坂本芦名線を繋ぐ「佐島の丘通り線」が開通。これと交差する国道134号線が拡幅したこともあり、「車でアクセスしやすくなる」と住民からは歓迎の声もあがる。
今後は、高速から市道への接続許可を申請後、測量や設計などを事業化。早ければ5年後に供用開始となる見込み。
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