横須賀市は今月10日、市内2件の企業進出を発表した。YRP地区内に「(仮称)イノベーションセンター」を新設する日本エア・リキード(株)と、神明町の久里浜テクノパーク内に本社・工場を設置する(株)JVCケンウッド・クリエイティブメディアの2社。両社とも、市の企業等立地促進制度の適用に向け、手続きを進めている段階だという。人口減少という課題に直面する市にとって、新たな企業の進出は明るい話題。市内産業の活性化や雇用機会拡大、定住促進に期待がかかる。
「東京・横浜への近接性や羽田空港へのアクセス、ICT・新エネルギーなど成長分野の企業集積といった立地メリットを活かし、組織的なセールスを展開」―。定住や集客促進とともに、重要施策として企業誘致に取り組んできた横須賀市。2011年度から今年度まで5カ年の実施計画「企業誘致アクションプラン」では、新規立地だけでなく、既存企業の設備投資まで一体的な企業支援施策を掲げ、さらに誘致対象業種を拡大。市のホームページなどを活用した情報発信とプロモーションで、「働く街・暮らす街」を広くアピールしてきた。
研究開発拠点に
YRP地区光の丘第二公園隣に研究所用地を取得した日本エア・リキード(株)は、産業・医療ガスと関連機器の製造販売などを専門としている。親会社は、産業ガス分野で世界シェア1位のエア・リキード社(フランス)。1907年から日本国内で事業展開しており、同地区への拠点設置は、「先端技術の発信・集積地」という位置づけ。新エネルギーの技術開発や通信技術普及への対応、高齢化社会での医療関連サービスの拡大などを目的に「(仮称)イノベーションセンター」を整備する方向だ。敷地面積は約1万4790平方メートル。施設規模や従業員数は未定、2018年度の操業を目標にしているという。
大和市から本社移転
現在、7社が操業する久里浜テクノパーク(神明町)には、(株)JVCケンウッド・クリエイティブメディア(大和市)が進出する。CD/DVD/Blu-rayなど記録済み光ディスクの開発・製造・販売を手掛けており、同テクノパーク内にある(株)JVCケンウッド横須賀事業所施設の一部へ本社・工場を移転する事業計画が明らかになっている。工場面積は約1万9500平方メートル、従業員数は関連企業を含めて約500人の体制となる方向。横須賀事業所=写真=の施設一部を賃借し、新たに本社と工場を設置する形で、生産開始は来年4月。移転完了時期は9月を予定している。
5年間の課税免除
今回の進出する2社は、企業等立地促進制度の適用に向けた調整を行っている。固定資産税、都市計画税や事業所税について、5年間の課税免除を受けられる制度で、環境・エネルギー分野の企業に関しては、立地奨励金も交付される。
今年、同制度の適用で誘致した企業は、久里浜港の事業用地に進出するファミール製菓(株)(冷凍ケーキ製造/金沢区)と合わせて3社となる。
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