「大津陣屋」復元模型を寄贈した、横須賀Cアカデミー代表を務める 杉本 幸三さん 桜が丘在住
「おもしろい」の掘り起こし
○…「歴史資源の豊富な横須賀。解明されていない部分もたくさんある」。それらを掘り起こして、街の誇りに繋げたい―。市民団体・横須賀Cアカデミーを立ち上げ、「大津陣屋」復元模型の寄贈や、おりょうさんに関連する催しなどを企画。会員らと調査研究に奔走する。
○…「何事も”おもしろい”が大事」と口調も明瞭。愛知県で生まれ、京都を経て東京へ。そして居を構えたのが横須賀だった。勤続20年の上場企業を退職し、複合施設などの開発・運営を指導する会社を興したのが、40代半ば。再開発や海外進出など、大型プロジェクトを指揮した。ただ、この道を走り続けることは考えていなかった。「第一線を退いてから、老後プランを立てるようではだめだ」とキッパリ。地域へ目を向け、浦賀行政センターの市民協働事業に手を挙げた。
○…浦賀や大津の「探訪くらぶ」では、散策ルート策定やマップ・案内板作成のほか、引揚船の写真展開催にも携わってきた。「資料は、探せばまだ出てくる。これを広く深く知ってもらうことも大切」と語気を強める。活動の軸を地域に移しながら、自らの事業は65歳で終了させた。その間、家族に行き先を告げず「次にしたいこと」を考える旅も。そこで浮かんだのが、開発や教育だった。
○…現在、代表を務める団体名の『C』は市民や文化の意味合いもあるが「AでもBでもなく、謙虚に活動する”C級”かな」とニッコリ。研究課題は自由。調査で国内各地を巡ることもある。「4時起床で日暮れまで。街を知ることから」。”都市計画”の視点で、歴史を含めて街の姿を見直す―という立ち位置だ。その集中力と精神力・体力の源は、学生時代に習得した居合道と「好物の新鮮な刺身を食べて、身体を動かすこと」。来月には龍馬とおりょうに関する企画も控える。「参加した人が、おもしろいと思えるものを」。探究心はまだまだ尽きない。
|
|
|
|
|
|