横須賀市の上地克明市長は今月25日に国土交通省を訪ね、国道357号(東京湾岸道路)の延伸に関する要望を行った。応対した秋元司副大臣は「しっかりと検討し、早期着工に向けて手続きに入りたい」と回答。これを受けて上地市長は、物流コストの軽減や市北部の再開発事業など「前向きに進んでいく」と整備の波及効果に期待を示した。
国道357号は、東京湾沿いの千葉県千葉市から横須賀市に至る延長約92Km。現状の終点は横浜市金沢区の八景島内で、夏島町までの区間(約2・3Km)は1988年に都市計画決定されていたが、長年に渡って未整備の状態が続いていた。現在は、横浜方面から金沢柴町交差点までが片側2車線道路。それ以降終点の八景島内までは観光バスと関係車両しか通行できない。
横須賀市を含む三浦半島4市1町は、「広域幹線道路整備促進期成同盟」として毎年、交通網の改善や事業化を国や県など道路関係機関に働きかけてきた。上地市長は、先の所信表明でも、同線の延伸を掲げていたこともあり、国土交通省への要望活動が実現した。当日は市長のほか、木下憲司市議会議長、鈴木真智子市議、衆議院議員の小泉進次郎氏と古屋範子氏、市の関係者らが同席した。
3本目の”動脈”に
要望ではまず、横須賀市における国道357号の位置付けを示した。国道16号への交通の集中や慢性的な渋滞、トンネルの老朽化、緊急・災害時の輸送路確保など挙げ、横浜横須賀道路と併せて3本目の”動脈”として重要な路線と説明。追浜地区に関しては夏島町の日産追浜工場が新型車リーフの生産拠点であることや、横浜DeNAベイスターズの2軍拠点集約の動きに触れ、同線の延伸が北部地域の活性化、駅前再開発計画の弾みとなることをアピールした。また、首都圏を結ぶ道路網の広がりが、物流コストの軽減に繋がるとして「市内経済に対するインパクトが大きく、横須賀経済活性化の悲願」と話した。
市長らからの熱心な説明に秋元副大臣は「早期着工に向けた手続きに入りたい」と答えた。また、夏島町以南、市中心部への延伸や16号への接続に関する要望に対しても「年内にネットワークの検討会を立ち上げたい」との意向を示した。
国との連携示す
就任後初めてとなる国への要望活動で一定の回答を引き出せたことに対し、上地市長は「(延伸で)北部地区の活性化も前向きに進む」と満足げな表情を見せた。同席した小泉議員も「国との連携の具体的な姿を、市民に示せた。横須賀の玄関口である追浜地域での動きは、ただ単に道路が延びるということに留まらず、半島全体に波及する」と期待感を表した。
*小泉氏・古屋氏の肩書きは25日時点のもの
![]() 交通網の現状を説明する市長=写真左
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