家屋の内外に廃棄物を溜め込む「ごみ屋敷」の発生件数が増加している現状を受け、横須賀市議会では昨年、対策検討協議会を立ち上げた。現在、「(仮称)横須賀市不良な生活環境の解消および発生の防止を図るための条例」―いわゆる「ごみ屋敷条例」の制定に向けて、意見聴取(パブリックコメント)を実施している。
「ごみ屋敷」とは、悪臭や害虫の発生、崩落や火災の危険性など、近隣の生活環境が損なわれている状況で、市が現在、把握しているのは16件。市資源循環部では、ごみを溜め込んだ人(堆積者)を定期的に訪問し排出や分別を促しているが、個人情報の調査や敷地の立ち入りに関する法的根拠がなく、面談ができない場合、解決が長期化しているという。
また、地域の民生委員などを通して福祉部や健康部が対応しているケースでは、「精神疾患や認知症などで生活管理ができない」「近隣との関係不和」等の例がある。ごみを処分しても再び元の状態になることもあり、「セルフネグレクト」など、対象者が抱える生活上の問題解決も必要とされている。条例の制定により、連携した支援の態勢を整えることができるという。
来年4月に施行
提示された素案は、相談や苦情があった場合、「建物の所有管理、本人の福祉サービス利用などの状況調査」「ごみ排出の支援」「関係機関による見守り・孤立防止など生活再建の福祉的支援」のほか、行政からの働きかけに応じない場合は「指導・勧告・命令や代執行などの措置」を講じることができる―という内容。意見聴取の期間は今月26日(木)までで、素案は市議会ホームページで閲覧可。市内の行政センター等でも配布している。
今後は、聴取した意見を踏まえて12月議会に議案を提出、可決されれば来年4月に施行される。詳細については市議会議事課【電話】046・822・8461
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