昭和のノスタルジーを感じさせる紙芝居に着目して、地域コミュニケーションを活性化させようと、市民有志が紙芝居集団「よこすかトコトン座」を立ち上げた。横須賀市生涯学習センター(まなびかん)の講座受講生で編成されており、先月23日にこれまでの学びの成果を発表する旗あげ公演が同センターの市民ホールで開かれた。今週末の3日(日)に第2弾の公演も控えている。
昭和の時代に子どもたちに親しまれていた紙芝居。テレビやゲームに押されて、街角で見かける機会はほとんどなくなったが、絵を見せながら演じ手が語って進める芝居的パフォーマンスのユニークさが再評価され始めており、静かなブームとなっている。昔話や小説、郷土史をアレンジした高齢者向けの紙芝居作品も登場しており、福祉施設などで人気を博しているなど、新しいニーズも生まれているという。
こうした現象を背景に、市生涯学習センターでは昨年12月、紙芝居の作り方、演じ方を学ぶ市民講座を開講。40代から70代まで約20人の受講生が集まり、紙芝居文化推進協議会の派遣講師から座学と実演の両面で指導を受けてきた。
受講者の一人である舟倉在住の渡辺美穂さんは、元ろう学校の教諭。「絵本の読み聞かせは、ストーリーが主役で語り手は黒子の存在。対して紙芝居は、自分が演者となって観客に語りかけながら、場のムードを作り上げていく面白さがある」と魅力を語った。渡辺さんは教諭時代に遠足の引率で障がいを持つ児童がプラネタリウムで眼鏡を亡くし、友だち全員で探したエピソードを作品にして発表。これが今年の同推進協議会主催のコンクールで神奈川新聞社賞を受賞している。
一座は、2月に同講座の集大成となるイベントを行う予定。以降は保育園や幼稚園、高齢者ホームや地域イベントでの出前公演などを検討しており、紙芝居集団として一本立ちをめざしていく。
3日の公演は午前10時半から11時半。観覧無料で定員100人。会場は横須賀市生涯学習センター「まなびかん」2階市民ホール。
問い合せは横須賀市生涯学習財団【電話】046・822・4838
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