自然・人文博物館 郷土資料展示し60年 移転・集約経て現在の姿に
深田台にある横須賀市自然・人文博物館が今年、開館60周年を迎えた。三浦半島の動植物や歴史的資料を展示している同館は、昨年度約5万人が来館し、学術的な拠点としての役割を担っている。今月19日(土)からは、周年事業として相模湾で捕獲された希少種「ミツクリザメ」の標本などを公開する特別展が企画されている。
同館の前身である「横須賀市博物館」は60年前の1954年、久里浜で開館した。当時、ペリー来航100周年を祝う記念館とする予定だったが、「市に蓄積する膨大な郷土資料を編纂・展示する」ため、総合博物館として開館した。1970年には、自然科学部門だけを現住所である深田台に「自然博物館」として移設した。それから13年後の1983年、久里浜分館閉館に伴い人文科学部門が深田台に移転し、現在の「横須賀市自然・人文博物館」と改称。ペリー来航時の絵巻や横須賀製鉄所の模型など、縄文時代以前から近現代の資料を豊富に取り揃えている。現在久里浜には、1987年に市制80周年事業で作られた「ペリー記念館」が開館している。
同館は、旧長井町大木根で発見されたナウマン象の骨の化石や、三浦半島から出土した埴輪や土器などが展示されている他、ホタルなど発光生物の世界的研究者でもある大場信義さんが学芸員を務めていたことでも知られる。地元出身の小柴昌俊さんがノーベル物理学賞を受賞した翌年に開かれた「ニュートリノ展」では、期間中10万人近くの来館者を記録したこともあった。
周年企画も実施
19日(土)からは60周年記念事業として、特別展第1部「ヨコスカの宝」を行い、同館が収集してきた約15万件の資料から特に貴重なものを公開する(9月7日まで)。9月20日(土)からは、博物館が開館した1950年代の写真や地図、日用品などの資料を通じて戦争による荒廃から復興していく横須賀を紹介する「ヨコスカ50’s」を行う。
|
|
|
|
|
|